前回記事では、渡台までの心の変化などを書きました。
今回は、台湾に来てから半年間の話です。
◆②駐在妻の心の変化(駐在開始~半年後):今回
目次
異文化適応のプロセス
来台後の話をする前に、”異文化適応のプロセス”について少しご紹介します。
海外に行ったことがある人であれば、一度は聞いたことがあるであろう”カルチャーショック”。
これは、異文化適応のための一つのステップとして捉えられています。
異文化適応については、U字曲線、W曲線など、多数の理論が発表されていますが、ざっくりと4つのステップに分かれています。
ハネムーン期
海外に行ってすぐ、目に入るものすべてが新鮮で、ワクワクしますよね。
旅行でルンルンなのが、まさにこの状態といえます。
ショック期
海外である程度の期間生活すると(1~3か月後)、言語や文化の違いから、辛いと思うことが増えてきたりします。
今まで常識だと思っていたことが全く通じないのって、自分を全否定された気になって、かなりの苦痛ですよね。。。
回復期
ショック期からある程度の時間が過ぎると、言語や文化の違いも「こんなもんか」と少しずつ受け入れられるようになります。
「時間が解決してくれる」というのは、まさにこのことですね。
安定期
ショック期から打って変わって、異国の地での生活が、精神面でも安定してきます。
ハネムーン期のワクワクとはまた違う、新たな高みに到達したといえますね。
そして、これらのステップは日本⇒海外だけでなく、海外生活を終えて日本に戻ってきた時にも発生します。
ただ、その場合は元々住んでいた国に戻ってくるだけなので、上記の4ステップは異国に行った時よりも早めに解決するといわれています。
この4ステップをどの程度で超えていくか、人それぞれだと思いますが、nenemamaの場合のハネムーン期、ショック期、回復期は、こんな感じです。
※まだnenemamaは安定期に達していないので、割愛します。
ハネムーン期:来台1か月~2か月前半
新年の抱負の記事でも書きましたが、来台当初は、日本人学校スタート、幼稚園探し、末っ子ちゃんとの日中の過ごし方の模索など、子どもたちの生活を落ち着かせるために、ひたすら駆け回った時期です。
本当にあっという間に過ぎていきましたので、ハネムーンのルンルン♪というかんじより、「とにかくがむしゃらに」だったと思います。
ショック期:来台2か月後半~3か月
いろんなところに遊びに行ったり、子育てサークルにも参加していたので、はたから見ると元気そうだと思われるかもしれませんが、実はこの時期、精神的には結構ドドーンと来てました。
要因はいくつかあると思いますが、私の場合は、前述のショック期でいう「台湾での言語・文化の違い」というよりも、「ワーママ ⇒ 専業主婦の生活スタイルの違い」に一番戸惑ったのだと思います。
今までと180℃違う生活に対する、見えない不安
ワーママと専業主婦、どちらが良い・悪いという話ではありません。
「どちらが自分に向いているか?」と考えたとき、私の場合はワーママのほうが向いているというだけです。
仕事をするのが好きなので、正直、仕事をしていない自分をあまり想像したことがありませんでした。
なので、台湾で専業主婦生活が始まって、本来の自分をあまり出せない(「働きたい」なんて言えない)感じがして、悶々とする日々を過ごすことになります。
「帰国したときにすぐ転職できるように
(あわよくば台湾で中国語を身につけて仕事ができるように)
〇〇しなきゃ、△△しなきゃ。
このままじゃ、ダメだ。」
とにかく、子どもたちのことがひと段落したのに、何も結果を出せていない自分に焦っていたんだと思います。
台湾で働いている夫に八つ当たりすることも多々。
夫もさすがに危険を察知したようで、週末「子どもたちの面倒は見るから、1人で出かけておいで」といってくれる日もありました。
何かの”結果”を追い求める自分
”結果”にこだわっていた私は、かなり精神的に落ちつつも、台湾に来る前からやりたいと思っていた「ブログを立ち上げる」だけでも始めなきゃ、と思い、
◆エックスサーバー
でのサーバーの契約と
◆お名前.com
でのドメインの取得をしたのが、来台から2か月ちょっと過ぎたころ。
ただ、いざブログを始めてはみたものの。。。
前職でwordpressを使ってサイトの更新作業をしたことはありましたが、ゼロから自分で立ち上げるのは初めて。
分からないことばかりなので、記事を公開する前段階、ブログのコンセプトとサイトレイアウトを決めるまでになんだかんだで1か月くらいかかりました。
せっかく立ち上げたブログ構築もうまく進まず、さらにへこむ結果に。。。
先輩の言葉に救われる
でも、そんな時、前職でお世話になった先輩から、メールが。
先輩ご自身もご主人の海外赴任に伴い一度退職された経験があって、かつ現地採用で働かれていたという、まさにnenemamaが憧れるステップアップキャリアを歩まれている方。
仕事の進め方もとても参考になり、自分も将来こういう先輩になれたらいいな、と今でも思っています。
そんな大好きな先輩から、かなり精神的に参っているタイミングでメールをいただけたので、「女神っているんだ!!」と感動したのを覚えています。
駐在妻の精神的な辛さなどもご存知なので、私がグダグダと送ってしまった愚痴メールにも、とてもやさしく返信してくださいました。
そして、先輩とのメールのやりとりで、この言葉をいただきます。
「目には見えないかもしれないけど、駐在妻としての経験を通して、一歩一歩着実に成長しているんだよ」
これを読んで、どれだけ救われたかわかりません。
とにかく焦っていた私は、”目に見える結果”にひたすら固執していました。
「駐在妻になったというだけでも、新しい経験を積んでいる」というのは、想像もしていませんでした。
そうか。
駐在妻という経験そのものが、次につながっているんだ。
そう思えると、モヤモヤの中に光が差し込み、なんだか前に向かって行けそう!と思えました。
そして、この経験を、同じように悩んでいる人に伝えていけたら、どんなに良いだろう、と思えるようになりました。
回復期:来台4か月~6か月
この出来事がきっかけで、ブログ構築に向けた意欲も高まり、サクサクと記事が書けるように。
(文章力はまだまだですが。。。)
末っ子ちゃんが習い事を始めたのもこの頃で、中国語を聞く機会も増え、少しずつ日々の生活も楽しくなってきました。
そして、末っ子ちゃんが3月から幼稚園に入園できることになり、自分自身が今後どうしていきたいのか、より深く考える時間が持てるようになります。
次回の記事では、回復期途中のnenemamaが、新たに始めた行動について書いていきますね。
※nenemamaについては、【Myself】からご覧ください。